令和元年6月19日
宮崎県環境管理課
宮崎県循環社会推進課
県民の健康を保護し、生活環境を保全するために、関係法令に基づき、大気、水質等の汚染状況の監視を行う。
大気汚染防止法、水質汚濁防止法、ダイオキシン類対策特別措置法
環境基準(※1)が定められている二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質(PM2.5)及び一酸化炭素の6項目について、常時監視(連続24時間の通年測定)を行った。
※1 人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準
二酸化硫黄、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質(PM2.5)は一部の測定局で、光化学オキシダントは全ての測定局で環境基準を未達成であったものの、注意報(※2)等の発令基準に該当しなかった。
※2 人の健康等に被害が生ずるおそれがある場合に、都道府県知事が大気汚染防止法に基づき注意報を発令する。
測定項目 | 測定 局数 |
測定結果 |
---|---|---|
二酸化硫黄 | 16 | 2測定局で環境基準を未達成 (高千穂保健所、小林保健所) |
二酸化窒素 | 12 | 全測定局で環境基準を達成 |
光化学オキシダント | 14 | 全測定局(※3)で環境基準を未達成 |
浮遊粒子状物質 | 15 | 1測定局で環境基準を未達成 (都城高専) |
微小粒子状物質 (PM2.5) |
14 | 3測定局で環境基準を未達成 (都城高専、都城自排局、大宮小学校自排局) |
一酸化炭素 | 3 | 環境基準を達成 |
※3 高千穂保健所、延岡商業高校、延岡保健所、大王谷小学校、細島公民館、
西米良村健康増進広場、高鍋町健康づくりセンター、日南保健所、油津小学校、
都城高専、小林保健所、宮崎市佐土原、宮崎市祗園、宮崎市生目小学校
(結果個表:大気汚染常時監視結果)
環境基準が定められているベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン及びジクロロメタンの4項目について、モニタリング(毎月1回
測定(※4))を行った。
※4 測定項目及び測定地点
・ベンゼン
4地点(宮崎市立図書館、延岡保健所、北部港湾事務所、都城自動車排出ガス測定局)
・トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタン
3地点(宮崎市立図書館、延岡保健所、北部港湾事務所)
例年どおり全ての測定地点で環境基準を達成した。
(結果個表:有害大気汚染物質モニタリング結果)
良好な大気の状況を維持するため、常時監視や発生源となる工場・事業場に対する監視指導等を継続して実施する。
また、光化学オキシダント及び微小粒子状物質(PM2.5)については、大陸からの越境汚染の影響が考えられているので、今後も国に対して国際的な取組の継続を要望していく。
(大気汚染常時監視測定局配置図、大気汚染常時監視テレメータシステムの概要、大気汚染常時監視測定局)
環境基準が定められている健康項目(砒素等27項目)及び生活環境項目
(BOD(※6)、COD(※7)等12項目)について測定を行った。
※5 河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域等
※6 生物化学的酸素要求量(水中の汚濁物質を表す指標で河川に適用。微生物が分解するときに消費される酸素量)
※7 化学的酸素要求量(水中の汚濁物質を表す指標で海域等に適用。酸化剤で化学的に酸化するときに消費される酸素量)
(ア) 健康項目
健康項目については、一部地点において砒素が環境基準を未達成であったが、ほかの項目はいずれも環境基準を達成しており、水質はおおむね良好であった。
砒素の環境基準未達成は、旧土呂久鉱山の排水や地質の影響によるものと推測され、現在、旧土呂久鉱山については、坑廃水対策工事が行われている。なお、当該水域は利水状況等から人の健康への影響がないことを確認している。
測 定 項 目 | 測 定 地点数 |
測 定 結 果 |
---|---|---|
砒素 | 82(※8) | 2地点(土呂久川)で環境基準を未達成 |
上記を除く項目 | 全地点で環境基準を達成 |
※8 健康項目を実施した測定地点の総数
(イ) 生活環境項目
生活環境項目については、BOD又はCODについてみると、1水域(花の木川)で環境基準を未達成であった。
測 定 項 目 | 測 定 水域数 |
測 定 結 果 |
---|---|---|
生物化学的酸素要求量 (BOD) |
79 (河川) |
1水域(花の木川)で環境基準を未達成 |
化学的酸素要求量 (COD) |
10 (海域) |
全水域で環境基準を達成 |
(結果個表1:健康項目、生活環境項目〔pH等、全窒素等、亜鉛等〕)
(結果個表2:特殊項目、要監視項目)
環境基準が定められている項目(硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、砒素等28項目)について概況調査(※9)と継続監視調査(※10)を行った。
※9 概況調査
・メッシュ調査:県内を5Kmメッシュに区切り、毎年数メッシュずつ実施する調査
・有害物質使用事業場周辺調査:有害物質を使用している(または過去に使用していた)事業場及びその周辺の井戸水における調査
※10 継続監視調査:過去に環境基準を超過した井戸水の調査
概況調査については、全ての地点で環境基準を達成した。また、継続監視調査については、17地点の井戸で砒素や揮発性有機化合物等が環境基準を未達成であったものの、これまでと大きな変動はみられなかった。
調査名 | 測 定 地点数 |
測 定 結 果 |
---|---|---|
概況調査 | 79 | 全ての地点で環境基準を達成 |
継続監視調査 | 52 | 17地点で環境基準を未達成 ・砒素 4地点 ・砒素及びふっ素 1地点 ・揮発性有機化合物 8地点 ・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 4地点 |
(結果個表:地下水調査結果)
良好な水環境を維持するため、公共用水域や地下水の常時監視はもとより、発生源となる工場・事業場に対する監視指導を行うとともに、浄化槽の設置や維持管理の徹底等の生活排水対策を継続して実施する。
環境基準が定められている大気、水質、底質、地下水及び土壌について、測定を行った。
排出基準が定められている廃棄物焼却炉等(※11)の設置者から、排出ガス等又は排出水の年1回の自主検査結果の報告があった。
※11 大気基準適用施設(アルミニウム合金製造施設及び廃棄物焼却炉)と水質基準適用事業場(硫酸塩パルプ等製造用の塩素等漂白施設、廃棄物焼却炉に係る灰貯留施設、下水道終末処理施設及び共同排水処理施設を設置する事業場)がある。
出基準が定められている廃棄物焼却炉等への立入検査を実施した。
例年どおり全ての測定地点で環境基準を達成した。
全ての施設で排出基準以下であった。
また、焼却灰及びばいじんは、全ての廃棄物焼却炉で埋立処分基準に適合した。
廃棄物焼却炉3施設の排出ガスが排出基準を超過していたため改善を指導し、全ての施設で改善を確認した。
測 定 項 目 | 測定数 | 測 定 結 果 | |
---|---|---|---|
常時監視 | 大気 | 6地点 | 全地点で環境基準を達成 |
水質 | 19地点 | ||
底質 | 17地点 | ||
地下水 | 7地点 | ||
土壌 | 9地点 | ||
発生源自主検査 | 大気 | 66施設 | 全施設で排出基準以下 |
水質 | 6事業場 | 全事業場で排出基準以下 | |
発生源立入検査 | 大気 | 41施設 | 3施設で排出ガスが排出基準を超過 |
水質 | 5事業場 | 全事業場で排出基準以下 |
(結果個表1:ダイオキシン類常時監視結果)
(結果個表2:ダイオキシン類発生源自主検査結果)
(結果個表3:ダイオキシン類発生源立入検査結果)
良好な環境を維持するため、ダイオキシン類の常時監視や主な発生源である廃棄物焼却炉等に対する監視、施設の適切な維持管理の指導等を継続して実施する。
さらに、自主検査結果の未報告や排出基準を超過した廃棄物焼却炉等に対しては、厳格な姿勢で法令遵守を徹底させる。
(環境基準等)