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宮崎の国定公園・県立自然公園

日豊海岸国定公園

地形・地質

本地域は、指定区域のまとまりとして北部地区と南部地区に分けることができますが、地形・地質の面においても北部地区と南部地区に大別できます。

北浦町宇戸崎から延岡市五ヶ瀬川河口までの北部地区は、中生代の四万十帯に属する粘板岩と砂岸の互層からなり、海岸部とその背後の山地部を区域としています。

海岸部は、九州山地が沈水して生じた典型的なリアス式海岸となっており、半島や岬の突出と湾入が連続し、多くの海崖、海食洞、島嶼、岩礁等を混じえて極めて変化に富んだ海岸風景を呈しています。北浦町、北川町、延岡市にまたがる山地部は、飯塚山、岳山、鏡山などの標高500m以上の山々が北東から南西に走向しており、これらのリアス式海岸の特色ある景観を展望するのに適した場所が多くあります。

延岡市赤水海岸から日向市美々津海岸までの南部地区は、中新世に噴出した尾鈴山酸性岩類が分布し、遠見山半島、乙島、細島などの海岸では柱状節理の発達した海崖や海食洞を形成しています。

北部地区の海岸に比べ湾入や屈曲の規模は比較的小さくなりますが、小島や岩礁、海食台の点在に加え、小倉ヶ浜をはじめとして伊勢ヶ浜、金ヶ浜などの砂浜海岸が断続的に分布する多様性に富んだ海岸風景となっています。

馬ヶ背断崖
馬ヶ背断崖

小倉ヶ浜小倉ヶ浜

植物

本地域は、黒潮の影響を受け、温暖多雨な気候に恵まれた無霜地帯となっており、アコウ、ビロウ、ハマユウ、タマシダなどの亜熱帯性植物の北限分布域となっています。高島のビロウ自生地は、国の天然記念物として指定されています。

一般的には、大面積の自然林は比較的少なく、岬・半島部の斜面や海食崖の上、島嶼、海岸や山地の保安林などにヤブツバキクラス域の自然植生が見られます。

自然植生の特色としては、温暖な気候を反映して、海岸部では海岸に近い部分にマサキートベラ群集とこれに接してミミズバイースダジイ群集が分布し、山地部に移行する斜面や台地にシロバイーコジイ群落が発達しています。また、延岡市赤水海岸において優占するトベラーウバメガシ群集が見られます。島嶼部では、同様にマサキートベラ群集、ミミズバイースダジイ群集の組み合わせのほか、高島のビロウ群落や批榔島のムサシアブミータブ群集などの特徴的な植生が見られます。

代償植生としては、コナラ群落、シイ・カシ萌芽林、アラカシ群落、コシダ群落などが自然植生と入り交じって分布し、また、海岸部ではクロマツ植林、内陸部ではアカマツ植林が本地域の全域においてみられます。本公園区域内で比較的少ないのはスギーヒノキ植林です。

小倉ヶ浜、伊勢ヶ浜、須美江海岸、熊野江海岸などの砂地海岸には、コウボウムギ、ケカモノハシなどの砂丘植生が見られます。また、その多くには背後にクロマツが植林されています。

ビロウ島ビロウ島

ハマユウハマユウ

動物

哺乳類
本地域では、鏡山、牧山、塩見川の3つの鳥獣保護区が指定されています。本地域に生息する主な哺乳類は、ニホンザル、ノウサギ、ニホンジカ、イノシシ、キツネ、タヌキ、アナグマ、テン、イタチなどです。
鳥類
公園全体を通じて、トビ、イソヒヨドリ、サギ類など水辺性・海洋性の鳥類がみられ、また、ホオジロ、メジロ、ヒヨドリ、ウグイス、モズなどの山地性・森林性の鳥類もみられます。
門川町批榔島(牧山鳥獣保護区)では、国の天然記念物に指定(地域を定めず)されているカンムリウミスズメ、カラスバトが繁殖しており、さらにオオミズナギドリ、アマツバメの集団繁殖地となっています。
また、本地域はサシバの渡るコースにあたり、四国から九州に入る玄関口となっています。
その他の動物
本地域では、環境庁の第2回自然環境保全基礎調査において指標昆虫類とされたハルゼミが分布するほか、「分布域が国内若干の地域に限定されている種」としてアシナガカメムシ、オオシロヘリナガカメムシ、また、「北限・南限など分布限界になると思われる山地に分布する種」としてサツマゴキブリ、ウスヒラタゴキブリ、イソカネタタキ、タテハモドキ、ヒオドシチョウ、リュウキュウオオスカシバ、イカリモンハンミョウ、サツマウバタマムシなどがあげられています。

カンムリウミスズメ
カンムリウミスズメ

イカリモンハンミョウ
イカリモンハンミョウ

海中景観

本地域の海域では、黒潮の支流が四国の足摺岬付近で本流と分かれて北上し、この反流が佐伯湾付近から南下していることから、海水の温度も高く、場所により透明度が20mをこえ、南北浦地区に指定されている6ヶ所の海中公園を中心として、テーブルサンゴ類、キクメイシ類、ミドリイシ類、イシサンゴ類、ウミトサカ類などが広範囲かつ大規模に生育しており、チョウチョウウオ、ベラ、スズメダイ、クマノミなどの魚類とともに、優れた海中景観を構成しています。

クマノミ
クマノミ

人文その他特殊景観

本地域における社寺の代表的なものとしては、国の登録有形文化財(建造物)となっている日向市の大御神社があります。日向灘を見下ろす岸壁の上に境内地をもち、隣接する日向市指定の史跡日知屋城跡や伊勢ヶ浜と一体となって自然的環境と人文・歴史的環境とが相まった風景を構成しています。

また、日向市の美々津港の湊柱神社は、県指定の天然記念物「権現崎の海岸性植物群落及び照葉樹林」を背後地とし、浦城港の神社も常緑広葉樹林に包まれた形で、社寺境内地に自然林が残る特徴的な景観をみせています。

なお、本地域では、港湾区域や漁港区域は公園区域外となっているところが多くありますが、一部は区域内にあります。

港湾や漁港は、産業活動の中で自然地形を活用した独特の景観を形成してきていますが、特に漁村集落には地域の自然環境と調和した個性的な景観となっている事例が多くあります。公園区域の景観と一体となった良好な景観は、本地域でも、直海港、北浦漁港、島之浦漁港、熊野江港、南浦漁港、平岩港、美々津港などにその例をみることができます。

大御神社
大御神社

美々津町並み
美々津町並み

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