生き物の暮らし/13.ミミズを育てよう

ミミズを育てよう

はじめに
進化論で有名なダーウィンは、「人間が耕すよりも前からミミズによって土は掘り返されてきたのだ。このちっぽけな生き物が、世界の中でどんな生き物よりも重要な役割を果たしていると言うことは間違いない。」と賞賛している。ミミズという動物は、わたしたちにとって非常に馴染みのある生物であるが、その働きについては意外に知られていない。ここでは、ミミズの生態的な特徴について簡単に述べた後、その性質を生かした代表的な環境学習プログラムについて紹介する。

方法
1.ミミズのはたらき
「ミミズがいると土地が豊かになる。」という話がある。ミミズは、有機物を土といっしょに飲み込み、細かく分解した有機物と土を含む糞(腐葉土)を様々な場所に排泄したり、土壌の運搬、さらには土壌に穴を掘り空気や水を通りやすくするなど役割を担っている。日本では余り耳にしないのであるが、イギリスやアメリカを始めとする世界各国では、このようなミミズの働きを利用し、農業利用における土壌の回復・改良のためなどにミミズを導入するなどのケースが頻繁に行なわれている。

2.ミミズコンポストをつくる
(1)ミミズコンポストとは?
  ミミズは、有機物であれば何でも食べる。そして、その排泄物(液肥)は、多くの栄養分が溶かし込まれ、肥料価値の高い上質な肥料となる。
このような性質を利用し、環境を守るためにミミズを飼って生ごみを食べさせ、ごみを削減することを「ミミズコンポスト」と言う。生ごみを、「無臭で」、「小さなスペースで」、「電気を使わず」、「安く」、「早く」処理し、非常に栄養価の高い「肥料を作る」のがミミズコンポストの特徴である。簡単に言えば、ミミズに生ごみをやり、その排泄物を堆肥として利用する生ごみリサイクルシステムのことである。


(2)ミミズ箱のつくり方

ミミズを飼い、生ごみを入れ、肥料を作らせる容器を「ミミズ箱」という。市販のものもあるが、ここでは手作りのミミズ箱の作り方を紹介する。

@ ミミズ箱には、不用になった引き出し、プラスチックの収納容器など、下のア、イの条件を満たすものであれば何でもかまわない。ここでは発泡スチロールの箱を使用している。発砲スチロールの上部には十分な換気口を、そして底には排水用の穴を空ける
〔条件〕ア。深さ30〜45p程度、イ。光が当たらないこと

 

A ミミズ箱の中に土を入れ、その上にミミズを入れる。中の土は学校の花壇や校庭の落ち葉の下の土などを使用するとよい。ミミズは非常に繁殖力が強いため、通常500g前後のミミズではじめれば良い。

 

B 土の上に生ごみ(野菜、果物、卵の殻など)を入れる。24時間当たりミミズの総体重の半分を目安に3日〜1週間に一度の目安で入れる。紙類もミミズの食料となるため、給食の残りや、クラスの紙ごみを入れてやると良い

 

C 生ごみの上に新聞紙を敷く。これは新聞紙に含まれる炭素分が生ごみの分解を早める作用をするためと小バエなどが生ごみなどの発生を避けるためである。さらに、新聞紙を上にのせるだけでなく、ネットを被せるとなお良い。

 

D 最後に、ミミズ箱からでる液体をうけるための容器を用意し、ミミズ箱の下に敷く。この液体は、肥料としての価値があり、液肥と呼ばれる。

 

 

 

おわりに
日本のミミズを用いたミミズコンポストの場合、生ごみの処理に関して効率が良くないことが報告されている。実際的には、ヨーロッパ産のミミズが最もよく用いされている。また、このようなミミズコンポストを利用した環境学習は、国内のみでなく海外の小中学校などにおいても、インターネットを通したグローバルな活動として盛んに実践されている。
なお、これらの内容は、「栽培と食」のミニトマトの「土つくり」でも触れている。

出典
○中村方子(1996)ミミズのいる地球、中公新書。

推薦図書
○ 佐原みどり(2000)「生ごみを食べてもらうミミズ御殿の作り方;ミミズコンポスト完全マニュアル」、(株)ヴォイス。
○メアリー・アッペルホフ(1999)「だれにでもできるミミズで生ごみリサイクル」、合同出版。


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